本来の自分を取り戻せ
人生を変えよう。
そう思ったのはいつのだっただろうか。
忘れもしない人生でのできごとがある。
2012年4月に上京した。
新宿区内にある某国立病院に就職した私は、救急医療に従事し、夜間日中問わず我武者羅に働いていた。
上司から課せられる課題が多かったが、それ以上に人とかかわるのが好きだった。
元々明るい性格ではない。しかし、心を病んでいる人、マイノリティな人物と接点を持ち、社会や教室の隅で生きるような人たちが自分とかかわることで元気を取り戻してもらえることがとても嬉しかった。
始めはそうだった。
東京での暮らしに慣れてきた頃、徐々に業務量過多となり、先輩看護師からの圧力につぶされていく新人看護師達。
自分もそのうちの一人だった。
あれをやれ
これをやれ
こっちの思いは無視された感覚になる。
とにかく次から次へと入院入院
空きベッド確保の為に転棟転棟
患者やスタッフとのかかわりが希薄になってくる。
そのうちに感じてくるんだ。
「あれ?何のために働いてるんだっけ?」
「何のために東京に来たんだっけ?」
「何がしたかったんだっけ?」
自分を忘れてしまいそうだった。
でも自分だけは絶対に捨てたくなかった。
このまま働いていたら、自分を見失ってしまう。
そう感じていた。
どうにかしなければ。
このままじゃ上司の機嫌の為に働いてしまうことになる。
自分のやりたい看護って何だっけ?
っていうか看護って何だっけ?
看護=職業
俺=何者?
俺ってなんだ?
看護師じゃなかったら、何ができるんだ?
ただただ自分には何ができるのか知りたかった。
気づいた時にはあることを調べ始めていた。
続く。